「加賀百万石」など歴史あふれる石川県ですが、近年は北陸新幹線の開通により、アクセスも格段によくなり、実際に訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、石川県地域振興課の田島さんと薬事衛生課で行政の薬剤師として働く新田さんに、石川県の魅力や移住支援制度、薬剤師の実態についてお話を伺いました。
アクセス良好。どんな方でも自分にあった地域が見つけられる!
石川県の魅力は、まず日本の中心に位置し、東京、大阪、名古屋といった三大都市圏からのアクセスが非常に良いことです。北陸新幹線も開通したので、都市部とのつながりを保ちながら、穏やかな地方での暮らしを実現できます。
県内は、南北に長く自然豊かな「能登」、都市機能を持ちながらも伝統文化を持つ「石川中央」、ものづくり産業が盛んな「南加賀」と、それぞれに特色があり、どんな方でもご自身のライフスタイルに合った地域を選べるのが強みです。能登では地震もありましたが、創造的復興を掲げ、過疎や人口減少などの課題解決も含め、復興に取り組んでいます。世界農業遺産にも認定されている「能登の里山里海」など自然環境の豊かさが魅力です。
また、移住された方が特に感動するのは食の豊かさですね。新鮮な魚介類が、日常的にスーパーに並びます。また、海も山も近いので、夏は海水浴、冬はスキーと、季節ごとのアクティビティを手軽に楽しめます。
一方で、石川県は1年を通して曇りの日が多く、冬は雨が多いので、そういった点が太平洋側の方から来るとマイナスなイメージを持たれるかもしれません。雪に関しても、一晩で一気に雪が降る「どか雪」がありますが、回数は多くなく、除雪装置も整備されているので、冬の暮らしに関しては安心していただければと思います。
また、全国で住みやすい市を比較する「住みよさランキング」というものがあるのですが、石川県は例年上位50位に、6、7地域がランクインされています。2025年のランキングでは、かほく市、金沢市、野々市市、小松市、白山市、能美市の6市がランクインしていました。これらの地域は子育て世帯からの人気もあり、移住にも力を入れていますね!
全国トップクラスの公教育環境と手厚い子育て支援
子育て世代の方にとって、石川県の教育水準の高さは大きな魅力だと思います。例年、全国学力テストでは、小・中学校ともに常にトップクラスの成績を維持しています。これは、県が長年、県独自の基礎学力調査を実施してきたことや大学と連携して授業改善に取り組んできた効果があると考えられ、公教育の質の高さを表しています。
その他にも子育て支援も手厚く、「プレミアム・パスポート」という制度があります。県内のお店で提示すると様々な割引やサービスを受けられるもので、2025年11月からは石川県に住むすべての子育て世帯が対象です。
また、待機児童ゼロを維持していることに加え、手厚い子どもの医療費助成も特長です。金沢市や七尾市等、18歳まで医療費の自己負担がない市町も多くあり、すべての市町で充実した支援を受けられます。このように、子育て世帯が安心して移住ができる環境が整っています。
出典:プレミアム・パスポートとは_子育てにやさしい企業推進協議会HP
そして、各市町には金沢市の「あめるんパーク」のような安くて広い遊び場も充実しており、子どもたちがのびのびと過ごせる場所がたくさんあります。
石川県は、体力強化と健康増進、そして学力のバランスを取りながら、ゆとりある暮らしができる環境が整っています。
移住を力強くサポートする独自の移住支援制度

石川県地域振興課 田島さん
石川県としては、まずテーマ別の移住者向けセミナーを年間25回ほど行っています。地域の暮らしについてはもちろん、子育てや農林漁業といった、多様なニーズに応じたテーマを設定しています。それとは別に、各市町でも移住促進に力を入れていて、その各市町が 一同に会する大規模移住フェアを、大阪、東京で1回ずつ行っています。
また、移住を具体的に検討される方のために、様々な支援制度をご用意しています。
まず、ILAC(アイラック)という暮らしと仕事のワンストップ相談窓口を東京と大阪に設置しています。ILACでは、相談者に寄り添ったきめ細やかなマッチングを強みとしており、企業OBである人材コーディネーターによる相談者に合わせた独自の求人開拓等も行っております。
移住相談では特に、Uターンの相談はかなり多いです。大学や就職を機に県外に行くけれども、いずれ戻ってきたいですよという方が結構多いので、そういう方に向けたセミナー等も行っています。私自身もそうですが、県外には出るけど、「石川に戻るもんや」と思って育ってきましたね。
Iターンの移住希望者については、石川県の実際の暮らしを体感していただくことが重要になりますので、一度石川県にお越しいただいて、住む場所や保育園の見学、移住体験などをしてもらっています。その際には、一世帯あたり上限5万円の交通費補助も利用可能です。
移住支援制度を一部紹介
【UIターン就職希望者向けの就業支援】 本格的な移住の前に、現地を視察したり、住まいや仕事を探したりする際の交通費を助成する制度です(1世帯あたり最大5万円)。まずは一度、石川の空気を感じに来ていただきたいです。
出典:UIターン就職希望者向けの就業支援(交通費・宿泊費)について _ 石川県HP
【いしかわ移住パスポート】 移住された方には、引越し料金といった、移住にかかる費用について、 協賛事業者に提示すると割引やサービス等の特典が受けられるパスポートを発行しています。
出典:いしかわ暮らし情報ひろば_いしかわ「第二のふるさと」推進実行委員会
【石川県の薬剤師事情】病院薬剤師・行政薬剤師の不足が課題

(右)石川県健康福祉部 薬事衛生課 新田さん(薬剤師)
石川県内の薬剤師数は、金沢市を含む石川中央医療圏では比較的充足していますが、それ以外の医療圏(南加賀、能登)では不足しているのが現状です。特に、能登の薬剤師不足が深刻となっています。中でも、全国的な傾向と同様に地域病院の薬剤師の不足が課題となっています。
最近では、修学資金を借りている薬学生さんが、修学資金返済のために、病院よりも比較的給料が高く、修学資金返済支援制度が充実しているドラッグストアや薬局に就職をする傾向があり、それが病院薬剤師不足の一因となっているのではないかと考えています。
また、私たちのような行政薬剤師も不足しています。行政薬剤師は、薬局と比較すると初任給はそこまで高くないことや、そもそも行政で働く薬剤師がいることを知らない方も多いです。行政薬剤師は、薬学部で学ぶ衛生や法律の知識を活かし、保健所や県庁などで、県民の安全・安心な暮らしを守る、重要な職責を担っています。定期的に異動もあり、職場ごとに仕事内容や関わる人も異なるので、視野を広げ、薬学的知識を幅広く活かし活躍できるのも良いところです。
石川県が取り組む薬剤師確保に向けた施策、活用制度
前述の状況に対して、県では薬剤師を確保し、支援していくための独自の制度を設けています。
まず、特に重要な病院薬剤師の確保のために、令和5年度に「石川県地域連携薬剤師共育プログラム」を立ち上げました。これは大学病院などの基幹病院と、地域病院の両方で働きながら、薬剤師の高度な専門資格を短期間で取得できる、人材育成プログラムです。これに併せて「石川県薬剤師修学資金返済支援事業」も実施しており、これは先ほどご説明した「石川県地域連携薬剤師共育プログラム」を満了した際に、240万円を上限として、在学中に借りていた就学資金の返済を支援するというものになっています。実際にこの制度に魅力を感じ、首都圏から石川県に移住された薬剤師さんもいらっしゃいます。
地域連携薬剤師共育プログラムで専門資格を優先的に取得!
先ほどお話しした「地域連携薬剤師共育プログラム」を活用いただければ、希望する専門資格を早く取得し、キャリアアップを実現することができます。同時に修学資金の返済支援を受けられるのも、大きな魅力です。
また現在、募集は終了していますが、令和7年度には起業支援金(いしかわ移住支援事業)が行われていたこともあり、薬局の開業を検討している薬剤師さんにとっても魅力的な要素でした。
さて、石川県の魅力や薬剤師さんが石川県にU・Iターンする魅力は伝わりましたでしょうか?最後になりますが、ILACやふるさと回帰支援センターでは、移住相談員が丁寧に対応し、一人ひとりに寄り添ったきめ細やかなマッチングを行っています。 ぜひ一度、窓口にお越しいただき、お話を聞かせていただければと思います。
相談窓口「 | イシカワノオト|(石川移住UIターンサポートメディア)」
