「寄り添い、向き合う医療」に「ゆとりある生活」が叶う!【薬剤師の新潟移住】

コラム

”国境の長いトンネルを抜けると雪国であった”

不朽の名作である川端康成の『雪国』の舞台として有名な新潟県は、四季折々で多くの魅力を有しており、移住先の候補地の一つとして人気の場所です。今回は、新潟県福祉保健部感染症対策・薬務課の長谷川さんと産業労働部しごと定住促進課の大屋さんに、新潟県の魅力や移住やUターンのメリットなどを伺いました。

四季折々の魅力満載。世界最大級の国際芸術祭や世界遺産も!

高田城百万人観桜会・上越市

新潟県というと、「米」や「酒」、「雪」などをイメージされる方が多いと思いますが、四季折々でたくさんの魅力があります。

春といえば桜ですが、上越市の高田城址公園は、日本三大夜桜の一つとされ、ライトアップされた約4千本もの夜桜は圧巻の光景です。

夏は、県内各地で花火大会が開催され、特に、日本一と称される「長岡花火」、世界一大きい四尺玉が見られる小千谷市の「片貝花火」、日本海から打ち上がる柏崎市の「海の大花火大会」などが有名です。

秋の魅力は「食」。コシヒカリをはじめ日本一の生産量を誇るおいしいお米はもちろん、新潟を代表する果物「ル レクチエ」やおけさ柿など新鮮でみずみずしい果物を味わうことができます。冬の魅力に関してですが、新潟県は世界有数の豪雪地帯でもあるため、各地でスノーリゾートが楽しむことができます。また、十日町市と津南町を舞台に、アートを介して地域固有の自然・文化等を体感できる世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」が開催されます。本イベントは、世界中から参加するアーティストやボランティアが地域と協働するプロジェクトとしているため、新たな交流人口・関係人口を生み出す契機となっています。

そして、世界遺産に登録され、国内外からも注目されている「佐渡島(さど)の金山」。「佐渡島の金山」は、日本独自の伝統的な手工業をベースに、世界に誇る質と量の金を生みだし採掘から小判の鋳造を行った遺跡が良好に残る稀有な産業遺産であり、「大地の芸術祭」とともに多くの方々から訪れていただきたい場所です。

東京へは新幹線で約2時間とアクセスも良好なため、地方での豊かな暮らしと都市とのつながりを両立できる新潟ですが、首都圏や地方大都市から移住する方の中には、新潟=豪雪地帯というイメージで、移住のハードルになる方もいるかもしれません。しかし新潟県内では、積雪量の多寡があり、海岸平野部など積雪がほとんどない地域も存在します。

また、積雪量の多い中山間地では、道路除雪が進み、生活に大きな影響がでることはほとんどありません。雪が降る地域は暮らしにくいと思われるかもしれませんが、雪は、四季を通じて清らかな水や豊かな農作物を育み、生活を支える空からの大切な恵みです。雪があることで気軽にスノーリゾートを楽しむことができるほか、雪の静けさに包まれた時間は心を整え、仕事や学びにも集中できることから、雪があるからこそかなう新しいライフスタイルを見つけられるという利点もあります。

長岡まつり大花火大会・長岡市

ゆとりある生活が可能

そのほかの新潟県の魅力としては、首都圏より生活費のコストが抑えられるため、ゆとりある暮らしが実現できることが挙げられます。

また、新潟県は地域子育て支援拠点数が全国トップクラス(令和6年度時点)。県内の幼稚園・保育施設数は800施設以上ある事に加え、保育施設においては1歳児の保育士の配置が国の基準の2倍となるよう支援していることから、未就学児のお子さんを持つご家庭の方にとっては安心してこどもを預けることができる環境が整っています。子育て世帯にとっての魅力は他にもあります。新潟県内の市町村では、不妊症や不育症の検査・治療の経済的負担を軽減するための事業を行っています。各市町村によって、助成の有無や内容が異なりますので、詳細に関しては新潟県HPや各市町村のHPで確認してみてください。

参照:新潟県不妊に悩む方への特定治療支援事業のご案内_新潟県HP

また、こどもの医療費助成制度もあります。県内すべての市町村において18歳に達する年度の3月末日までの方を対象に、こどもの医療費助成を受けることが可能です。助成金額をはじめ、制度の内容は各市町村によって異なりますので、新潟県HPをご参照ください。

参照:こどもの医療費助成事業について_新潟県HP

教育環境にも力をいれている新潟県。科学・医療分野への進学も後押し

新潟県は47都道府県中、第5位の面積(12,583.67km)をも持つ広い県ですが、どの地域に居住しても同じ水準の教育を受けることができる環境が整っています。

出典:令和7年全国都道府県市区町村別面積調(10月1日時点)_国土交通省 国土地理院

また、生徒の進路希望の実現についても、様々な支援を行っています。例えば、新潟県内の各地区には、科学・医療分野で活躍する人材の育成を目指す理数科(理数コース)を置く高等学校が6校あり、理系の進路を希望する高校生が学んでいます。特に、医師を志望する生徒については、新潟県教育委員会が、医学科志望の生徒を対象とした学習会や、現役医師との座談会、医師体験などを実施しており、生徒の夢の実現を支援しています。

新潟県の移住支援制度の紹介

新潟県では、県外から移住する方に対して様々な移住支援を行っています。

まず、経済的支援としてはUターンの方への奨学金返還支援や移住者の方への移住支援金の支給などを行っています。また、子育て世帯への支援も手厚いのも特徴です。新潟県が設置するU・Iターン総合相談支援窓口「にいがた暮らし・しごと支援センター(銀座・有楽町)」では、専属の相談員が相談に応じます。お一人おひとり、それぞれの状況に応じて様々な提案が可能ですので、ぜひ一度足を運んでみてください。

新潟県Uターン促進奨学金返還支援事業

県内にUターン転職した方の奨学金返還を最大で、20万円/年×6年間(上限120万円)を支援する制度です。

出典:Uターン促進奨学金返還支援事業「Uターン転職した方の奨学金等の返還を支援します_新潟県HP

新潟県移住・就業等支援事業

東京圏(東京23区に在住又は通勤)から、県内市町村に移住して、就業等に関する一定の要件に該当する方に対して移住支援金(単身:60万円、世帯100万円、18歳未満の方を帯同した場合1人につき100万円加算)を支給する制度です。

出典:【移住支援金】東京圏から新潟県へ移住した方に最大で100万円+α を支給します_新潟県HP

新潟県子育て世帯移住・就業等支援事業

東京圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)から、18歳未満の方を帯同して、県内市町村に移住し、就業等に関する一定の要件に該当する世帯に対して移住支援金を支給する制度です。

※移住支援金の申請先は市町村になりますので、移住する市町村窓口にお問い合わせください。

出典:【子育て世帯移住支援金】東京圏から新潟県へ移住する子育て世帯の方に最大で50万円を支給します_新潟県

子育て世帯にうれしい移住支援制度

先ほどもお話しましたが、新潟県では、恵まれた子育て環境をU・Iターン促進にも生かしていくため、令和6年度から新潟県独自で、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)から移住する子育て世帯への支援金制度 (再掲)を創設しました。各要件を満たした方に対して最大で50万円支給する制度です。

そのほかにも、「新潟県こむすび定期」という制度もあります。

令和5年4月1日以降に生まれ、1歳以上で県外から転入された3歳未満のお子様に対して、お子様名義の定期預金「こむすび定期」(3年定期/5万円/5歳ごろに満期を迎える)をお渡しするものです。

※3歳の誕生日の前日までに申請が必要です。

※1歳未満で県内に転入されたお子様で1歳の誕生日の前日までに申請がある場合は、「こむすび定期」(2年定期・5年定期/計10万円)をお渡しします。

こどもが成長するとかかるお金も増えていきますので、ぜひご活用いただきたいです。

出典:【子育て世帯移住支援金】東京圏から新潟県へ移住する子育て世帯の方に最大で50万円を支給します_新潟県HP

出典:官民挙げて子育て応援!新潟県こむすび定期_新潟県HP

新潟県内の薬剤師の充足状況やその背景

ではここからは、新潟県の薬剤師をとりまく状況に関して話していきたいと思います。

まず、新潟県の人口10万人当たりの薬剤師数(令和2年末現在)は、205.1人と全国平均255.2を下回っており、二次医療圏ごとで不足の程度にばらつきがある状況です。

二次医療圏別の人口10万人当たりの薬剤師数については、新潟圏域(新潟市、五泉市、阿賀野市及び阿賀町)にあっては県全体の平均を超えていますが、それ以外の圏域は県平均を下回っており、特に下越(新発田市、村上市、胎内市、聖籠町、関川村及び粟島浦村)・魚沼(十日町市、魚沼市、南魚沼市、湯沢町及び津南町)・佐渡(佐渡市)圏域では薬剤師不足が深刻な状況です。

調剤薬局に関しては医薬分業の進展により、毎年、増加傾向にあることから、過疎地域や僻地の部分を除けば、薬剤師の確保ができていることが予想されますが、病院にいたっては微増若しくはほぼ横ばい傾向(一定数は確保・維持できている)です。

病院薬剤師の伸び悩みや不足は新潟県に限った話ではなく、全国的な課題でもあります。その背景には、薬局と病院の間に3つの構造的な違いがあると考えています。

1、給与面の違い 

薬局と比較して病院は初任給が低い傾向にあります。生涯年収では大きな差がないというデータもありますが、就職活動を行う学生にとっては初任給の差が大きく影響し、病院の業務内容に魅力を感じていても、給与面から薬局を選択する方もいらっしゃいます。

2、採用活動と情報発信の課題 

大手薬局チェーンが大規模な一括採用を行うのに対し、病院は各施設が個別に採用活動を行う必要があります。採用数もそこまで多くないことに加え、採用が毎年あるとは限らないことから、学生への継続的なアプローチを行いづらい側面があります。また、学生が利用する大手の就職支援サイトは掲載費用が高額なため、薬局のような大企業と比べ、個々の病院が情報を掲載するハードルは高く、学生に情報が届きにくいという課題もあります。

3、働き方の違い 

病院勤務には夜勤や当直、休日・緊急時の呼び出しなどがありますが、薬局は日中勤務が中心で、パートタイムや時短勤務など柔軟な働き方がしやすい傾向にあります。そのため、特に子育て世代などは、ライフスタイルの変化に合わせて病院から薬局へ職場を移してしまうケースも見られます。

こうした背景を踏まえ、医療現場におけるチーム医療の進展に伴う薬剤師業務の充実が求められていることから、県としても病院薬剤師の確保に注力する必要があると考えています。 現在、医療関係者や関係団体、新潟薬科大学と共に病院薬剤師確保に向けた施策検討を進めているところで、具体的には、「県内病院のインターンシップ情報の一括発信」「Uターンを検討している病院薬剤師を確保する手段」の実施検討を行っています。 

その他にも、病院薬剤師の就業環境改善に向けた取り組みについて、アンケート調査を行うとともに、関係者間で意見交換も行っており、病院薬剤師確保に向けて尽力しています。

参照:「二次医療圏別人口10万人当たり薬剤師数」_新潟県

新潟県で薬剤師として働く魅力とは?

では、新潟県で薬剤師として働く魅力は何でしょうか?まず、Uターンの方にとっては、自分の生まれ育った土地で県民の健康維持・増進に貢献できることが挙げられます。

私自身も就職のタイミングで新潟にUターンをして、公務員薬剤師として働いています。大学進学で東京に出たのですが、地元の方が知り合いも多いですし、就職するのであれば地元でと、ずっと思っていました。今でもここでの仕事と生活にとても満足しています。

また、Iターンなど県外からの移住を検討される方にとっては、薬剤師の仕事内容そのものに大きな違いはあまりないかもしれませんが、新潟県の持つ「暮らしの魅力」が大きな要素になると考えています。新潟県は四季が豊かで食べ物も美味しく、十日町の遺跡など文化的な魅力も多い県です。こうした暮らしに魅力を感じて移住してもらい、薬剤師の仕事に就いてもらいたいです。

さらに、こうした「暮らし」の側面だけでなく、薬剤師として地域に密着して働ける環境も新潟県の特徴です。近年、全国で少子高齢化が進む中で、新潟県に関しては特に佐渡市、糸魚川市、十日町市で高齢化が進み、平均年齢が上がっています。また、人口減少も深刻です。こうした背景から、高齢者が多い地域で働く機会も多くあり、薬剤師として地域医療や在宅医療に深く貢献できる点も大きな魅力です。

過疎化や医療機関の減少に伴い、在宅医療のニーズは都市圏に比べても非常に高まっています。そのため、在宅医療の分野で活躍したいと考えている薬剤師さんにとっては、大きなやりがいを感じられる環境があると言えます。私自身も佐渡市の保健所での勤務経験がありますが、このような高齢者が多い地域では、患者さんとの距離が非常に近いという特徴があります。かかりつけ薬局のように同じ患者さんに同じ薬剤師さんが対応する体制も充実していますし、在宅医療も含めて一人一人の患者さんへの関わりはとても深いです。

県の方でも、医療機能の集約や適切な配置を目指す「地域医療構想」を推進していますので、地域医療に興味がある方は、ぜひ新潟に来て貢献してもらえると非常にありがたいです。他にも薬局の新規開業・起業で活用できる「起業チャレンジ応援事業」や「U・Iターン創業応援事業」といった助成金制度があるので、こちらもご確認ください。なお、助成に当たっては一定の要件があります。

参照:公益財団法人にいがた産業創造機構

新潟県立病院で働く魅力をご紹介

新潟県公式のnoteより、県立病院で働く薬剤師の魅力についてご紹介します!

キャリアに関して

県立病院が複数あるという特性を生かし、幅広い機能の病院で経験を積める点も魅力の一つです。急性期医療を担う病院、がんセンターや精神医療センターのような専門性の高い治療を行う病院、地域医療や慢性期医療に強みを持つ病院など、多様なフィールドでの勤務が可能であり、薬剤師としての知識・経験を段階的かつ体系的に深めることができます。異動制度を通じて、自分のキャリア志向に合った環境で働くことが可能です。

さらに、専門資格取得への支援体制が整備されている点も県立病院を志望してよかったと感じている理由のひとつです。日常業務を通じた丁寧な指導に加え、認定・専門薬剤師の取得を目指すための研修参加や学会活動への支援制度が整っており、キャリア形成を組織として後押しする文化があるため、興味のある分野がある場合には着実に専門性を高めていくことができます。

職場環境に関して

仕事とプライベートを両立しやすい点も県立病院の強みです。県立病院は安定した勤務体制と充実した福利厚生が整っています。有給休暇を取得しやすい環境づくりや、育児・介護を支える制度も利用しやすく、安心して長く働き続けることができます。年に五日間の夏季休暇もあり、有給休暇・代休や夏季休暇を利用して趣味でもある旅行を毎年楽しんでいます。

一部引用:県立病院薬剤師の仕事と働き方の魅力_新潟県公式note

最後になりましたが、移住希望者の関心は、子育て環境、仕事の有無、自然環境など、希望するライフスタイルによって様々であり、移住希望者のニーズに応じて最適な地域を案内していくことが重要であると考えています。

そのため、移住を希望される方がどういったライフスタイルを望まれるのかをお聞きした上で、お一人おひとりにあったご提案をさせていただきたいと思いますので、新潟県が設置するU・Iターン総合相談窓口「にいがた暮らし・しごと支援センター にご相談ください。相談窓口は東京の銀座と有楽町に設置していますが、電話、メール、オンラインで相談いただくことも可能です。

さらに新潟県では、移住の先輩である移住サポーターに気軽に相談できる情報・交流サイト「otonari(おとなり)」も運営しています。こちらもぜひご利用ください。

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